救急医療情報キットとは、
「緊急時にかけつけた救急隊等が、かかりつけの医療機関や緊急連絡先等の情報を素早く正確に把握し、
適切な救急活動ができるよう、あらかじめ自分の医療情報を容器に入れて冷蔵庫に保管しておく」ためのものです。
名称は統一されておらず、冷蔵庫保管医療情報キット、救急医療情報キット、緊急時医療情報キット等複数の呼び方があり、単に医療情報キットとも呼ばれます。
まだまだ日本では高齢者だけのイメージが強く弊社でも台風に罹災しなければこの言葉自体知りませんでした。
しかしながら、怪我・事故・病気は高齢者だけに起こるものではありません。 大切な命を守るためには保険証のように誰でもがいざと言う時の備えとして
所持しておくべきだと思います。
非常持ち出し袋が高齢者だけの物ではないように、この医療情報キットも日本に在住する全ての方々が設置し、冷蔵庫を置いている家が珍しくないのと
同じように当たり前にして行きたいと思います。
若い人でも高いところから落ちれば怪我もしますし、打ちどころが悪ければ意識もなくなります。
近所で良く会い、言葉を交わしていても、いざと言う時にはどれくらいその方の事を知っているでしょうか?
「花粉症だってのは知ってるけどねぇ・・・」
「えーと・・・いつもあだ名で呼んでるからフルネームは分からねぇな!」
実際にこれは近所で屋根から落ちて怪我をされた方の為に救急車を呼ぶまでの話です。
付き合い自体はもう10年以上しているにも関わらず、実はよく知らないという事は意外と多いと実感しました。
そして私達は一緒に暮らしている家族でも、掛かりつけの病院の名前、普段服用している薬の名前、そしてどんな持病があり
何をしたらいけないのかを必ずしも全部把握している訳ではないと思います。
まして実際に災害や事故等で家族が倒れた時にはパニックになってしまい、普段ならば落ち着いて対応出来る事も頭が
真っ白になり出て来ない事が多いのではないか?と思いました。
それは以前親しくさせて頂いていた救急隊員の方からも同じことを聞いていて、救急車が来て隊員が来ると腰を抜かす方がいること
緊張と焦りのあまりに話が出来なくなる方が多いと聞いていたので想像に難くないと思いました。
口が利けなくても、予め情報があれば隊員の方や救護者にそれを渡して適切な処置をして貰え、大切な命が守られます。
弊社では試作版を作り何度も地域の方々に見て貰い改良を重ね、理想と思える医療情報キットを作り始めました。
色々な自治体の医療情報キット内の記入用紙の一部(名称も統一されていないのが現状)
こうした物を作るのは初めてなので、印刷物が完成してから誤植が見つかり再度作り直すなど苦労もしましたが、何とか出来上がりました。
この医療情報キット、非常持ち出し袋に入れる事で避難所や避難先で具合が悪くなった時にも活用出来ると思います。
そして、政府も発表している、いつ訪れてもおかしくない南海トラフ巨大地震やその他の自然災害に備える為、
国籍を問わず誰もが自分の母国語で緊急時に必要な情報を統括して見る事の出来るポータルサイトを立ち上げたいと思いました。
それで地域の方々、有志の方々と作った団体がEmergency Japanという団体を2020年に立ち上げました。
このEmergency Japanは医療情報キットを日本で暮らす方全て世帯に普及させたいと考えております。
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